QC(Quality Control)は、直訳すれば品質管理です。何となくイメージが湧きますが、しかし、いざQC活動の話となると、グラフの書き方・見方の話だったり、あるい改善活動の話だったり、はては会社の方針管理の話だったりと、捉えどころがありません。そこで、QC検定等で触れられる「品質」や「QC」の考え方とその関連について、雑多な話題を誤解を恐れず書きたいと思います。また、身近な業務の問題を品質技術を使って解決する方法についても書きたいと思います。
製造業を想定した話題が多いと思いますが、考え方自体は特に業種を限ったものではないと思います。
検査
検査とは、製品やサービスそのものをチェックして不適切なものを取り除くことです。JIS Z 8101-2:1999に依れば「品物またはサービスの一つ以上の特性値に対して、測定、試験、検定、ゲージ合わせなどを行って、規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定する活動」を検査呼びます。
- 適合(品):規定要求事項を満たしている(良品)
- 不適合(品):規定要求事項を満たしていない(不良品、不具合品)
ロット
ロットとは、一定と仮定できる条件で生産された品物のまとまりです。製造業の大量生産における「まとめて同種の製品を生産する場合の生産単位」になります。ロットに関連する用語として以下のようなものがあります。
- バッチ:一括して処理する単位(≒生産単位=ロット)
- サンプル:母集団(≒ロット)の姿を反映するように抽出された品物
- ランダムサンプリング(無作為抽出):母集団(≒ロット)を構成する要素がいずれも等しい確率でサンプルに含まれるようにする抽出法
検査の種類
検査の段階
検査は、その実施タイミングによって様々な呼ばれ方をします。また、その目的に応じて、生産技術部門だったり品質保証部門だったりと、実施の主体部門が異なります。
- 受入検査:提供されたロットを受け入れてよいかどうか判定する
- 購入検査:購入品に対する受入検査
- 工程間検査(中間検査):半製品を次の工程に移動させて良いかを判定する
- 工程内検査:工程内のあらゆる検査の総称
- 最終検査:製品が要求事項を満足しているか判定する
- 出荷検査:出荷時に行う最終的なチェック
検査の方法
検査は、サンプル数に応じて、形式的に3つの検査方法に類型化されます。
- 全数検査 n=N:ロット内の全ての検査単位(適合品/不適合品を判定する単位)について行う検査
- 抜き取り検査 n>0, n<N:検査ロットからあらかじめ定められた抜き取り検査方式に従って、サンプルを抜き取って検査し、その結果をロット判定基準と比較して、そのロットの合格・不合格を判定する検査
- 無試験検査:品質情報・具術情報などにもとづいて、サンプルの試験を省略する検査
- 間接検査:受入検査で供給者側の検査成績を確認することにより、受け入れ側の試験を省略した検査
また、検査のやり方として、人の感覚を用いて評価し、判定基準と照合して合格・不合格を判定する検査を官能検査と呼びます。
検査方法は、一つの方法に固定するわけではなく、工程能力(品質を確保する能力)に応じて検査の方法を変えていきます。例えば、工程間検査は全数検査を行い、出荷検査は抜き取り検査をするなどです。